中学受験を乗り越えて入学した学校はパラダイスだったのか。
残念ながら私の場合はそうではありませんでした。そもそも第一志望に入れませんでしたので、失意のうちに(!)入学した学校だったのですが…そこの独特な校風にいまひとつなじめず、仲のよい友達もできなかったため、半年くらいはどこにも居場所がないような思いに苦しめられていました。
その後ようやく仲のよい友達ができ、最初は違う部活同士だったのですがもっと一緒に遊びたかったので、彼女の所属する音楽部にも興味を持つようになりました。そこで弦楽器と出会ったのですが、最初は「あんな指板に印もない楽器を弓でこすってどうやって音が出ているんだろう?」という純粋な興味でした。
幸い、初心者でも始められるようでしたので、そこで選んだのが「ヴィオラ」だったのです。
なぜいきなりヴィオラ??よく驚かれるのですが、たぶん、人数が足りてなかったんだと思います(笑 先輩から何学年か空いて私たちの代だったので、勧められたのかもしれません。私自身は「弦楽器の音が出る仕組み」に興味があったのと、友達と遊べればそれで良かったので、あまり深く考えることもなくヴィオラパートを担当することになりました。
それからは、年に一度の発表会に向けて、課題曲が弾けるように練習をしました。その頃は基礎練習?なにそれおいしいの?です。まあ、(ハ音記号がややこしかったものの)なんとかついていける程度には弾けるようになって行きました。
転機は高校一年のころ…。
「ハイ。」と突然同級生の友達から渡された譜面は——ハイドンの弦楽四重奏曲「皇帝」第二楽章。ゆったりとした曲調で譜面上は簡単そうなのですが、主テーマを楽器間で受け渡すのも、同属楽器同士で綺麗なハーモニーを作るのも、各パート1楽器ずつでごまかしが効かないのもなんと難しいことか。それに何と言っても、ヴ ィ オ ラ に ソ ロ が あ る !!!
これをきっかけにどんどんアンサンブルの楽しさにのめり込んで行きました。この頃は「部活のために学校に行っている」ことを豪語していた時代…。今のようにYouTubeなどなかった頃ですから、父親のライブラリやらNHK-FMで弦楽室内楽曲があるや聴いたりダビングしたり。特に気に入ったものはスコアを購入して、各パート譜に切り貼りです。
ベタかもしれませんが、モーツァルト弦楽四重奏曲「狩」
チャイコフスキー弦楽四重奏曲第一番
モーツァルト弦楽五重奏曲 kv.516
などは特に好きな曲でした。
モーツァルトの五重奏は時を経て大学時代にある結論を迎えるのですが、それはまた追々。
そして、卒業最後の舞台で機会を頂いたのはブラームスピアノ五重奏曲第三楽章スケルツォ。
その時は幸い、ピアノが上手な友達が部外から参加してくれて実現したのでした。
いやあ、久しぶりに聴きましたけど、やっぱりいい曲ですね〜。自分の演奏会の録音テープは実家に保管しておいたのですが、そのことをすっかり忘れていて不要なテープとともに2年半ほど前うっかりスクラップにしてしまいました。。たいしたことない演奏だとは思いますが(私自身が、ですよ)もったいないことをしました。死ぬまで後悔するかもしれません。
高校三年は大学受験のため勉強に専念しましたが、晴れて大学に入学したら………やっぱりアンサンブルの楽しさは忘れていなかったのです。
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