先日、スターダンサーズ・バレエ団のくるみ割り人形を鑑賞してきました。
ちょうどこの週の「題名のない音楽会」ではくるみ割り人形の音楽会の特集でまさに旬。
そもそもクリスマスにくるみ割り人形が定番ということも知らなかったのですが、この戯曲の元となったE.T.A.ホフマンの「くるみわりとネズミの王様」で主人公にクリスマスにくるみ割り人形を贈られるというところから、くるみ割り人形=クリスマスという図式になったのではないか、ということのようです。
さらに、各バレエ団はそのあらすじを元にして独自の脚本と演出で公演しているようなので、この演目観たことある!と思っても何度でも楽しめそうです。
私は今回初めてのくるみ割り人形のなるのでパンフレットを購入して万全の体制。台詞のない劇ですから、そのバレエ団で初めての鑑賞であれば、お話がわかった方が楽しめるだろうと思い。
*ここからはネタバレを含みます*
ワクワクするような序曲とともにクララの家のシーンからの第一幕の幕開け。クララやお姉さん役の美しさはさることながら、弟を演じる子役もとても良い動きをしていて、これは最後まで感心しておりました。
お出かけしたクリスマスマーケットはヨーロッパの市民広場のような雰囲気や賑々しさが感じられました。踊りでの表現にとらわれず、各キャラクターがランダムで自由な(ように見える)動きをしていたことがとても印象的な…というより驚いた点です。全幕バレエを観たこと自体が初めてなのですが、ダンサーがこんなに奔放に「演じる」ことができるのはすごいと思いますし、単純に踊りが上手いというだけでバレエダンサーにはなれないものだなあと考えさせられました。
クララの鑑賞する人形小屋は車がついた移動式のものだったのですが、あれ、たぶん本当に動力があって動いているんだよね…。
クララが人形の世界に行くシーンはウィキペディアで解説されるような演出ではなく、もっと直接的で小学校低学年にも理解できるようなものでした。
それ以降、クリスマス疲れから睡魔がおそって第一幕のラストシーンはあまり記憶がないままに…
休憩を25分取ったあとは第二幕。人形の国での出来事です。ここではお馴染みのスペイン、アラビア、中国、フランス各国のキャラクターダンス。次々と踊られる様子はまるでダンズバトルのよう。そして、王子のソロ、金平糖の踊り、パ・ド・ドゥと会場の雰囲気もクライマックスへ。ブラボー!の声が飛び交います。
そして…物語は終焉を迎えるのですが…。演出家によってシナリオは2通りに分かれるようですね。つまり、クララが人形の国に王子とともに留まるのか、それとも元の家族が待つ世界に帰るのか。スターダンサーズ・バレエ団がどういう結末で終わるのかはさすがに書けませんが…人形の国に留まるように強く勧める人形の国の住人とクララの頭に時折よぎる賑やかな家での思い出が序曲で再現され、葛藤がドラマチックに描かれます。
くるみ割り人形バレエ全幕がこんなに感動的だとは思いませんでしたね。もう一度観に行きたい気もしますし、他の演目を観てみたいとも思います。オーケストラ生演奏付きでバレエを楽しめることは、レクリエーションとしても、習い事の動機としても十分すぎるくらい得るものがあると思います。
…なのですが、娘は中だるみをしていて途中「飽きた」なんて言っていました。やれやれ、もう少しワクワクしながら観てほしいものですね。せっかくの機会なんだから。
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