先日、渋谷区・オーチャードホールで行われた冨田勲さん追悼特別公演となる「ドクター・コッペリウス」を娘と観に行ってきました。
オーケストラの要素もバレエの要素もあるけれど、タイトルが「コッペリウス」ということであればややバレエ寄り?この公演が世界初演となることですし。でも、狙いは初音ミクさん交響曲である「イーハトーヴ交響曲」の方ですね。千本桜や踊ってみたが好きな娘も、オーケストラで歌うミクさんを観るのは初めてですから、それはそれは楽しみにしていました。
いざ観に行ってみると、何度もTVやメディアで目にしていたからか、ミクが2次元に収まっていてスクリーン上にいるからか、コンサートで生アーティストを観た感動とは全く違うものでしたね。良くも悪くも、実体としてはプログラム以外の何物でもないんだな…と。
ただ、「あれ?いまちょっと出だしズレかけなかった?」という生演奏としての臨場感は、確かに聴きに行くならではのものだな、と思いました。
第1部と第2部の間にはイギリスの音楽プロデューサー兼ミュージシャンであるエイドリアン・シャーウッドさんのホルスト「惑星」のシンセサイザーによるアレンジ。
ここではちょっとしたトラブルがありました。
演奏用にシンセサイザーの機材を舞台中央に運び、いざ演奏というときにエイドリアンの手がキューブ状の機材に当たり、無惨にもそのBOXが「ゴッ」という音を立てて地面に落下。客席がすこしさざ波を打ったかのようでした。
幸いにも何事もなかったようで(?)無事演奏は終了。
第2部にいよいよタイトルの「ドクター・コッペリウス」です。
物語としては月に帰った姫…そう、かぐや姫の現代ファンタジー版とでも言えば良いのでしょうか。結い上げた髪にチュチュで踊るミクと男性ダンサーとのパドドゥが最大の見せ場ではないかと思うのですが、それはまだまだ物語の序盤の話で、月に帰ってしまってからが本題ですね。あれは、人間にはできない。飛んだり、瞬間移動したりはできませんからね。(と、ここでEテレ「ピタゴラスイッチ」の「こんなことできました」を思い出した)
肝心の娘は、第1部ですっかり満足したのか、終演が20時半と遅めだったからか、第2部の冒頭から爆睡。せっかくS席10,000円の席を取ったのに…。終演後「バレリーナみくさんみたかったな〜」などとのたまい、もうアホとしかいいようがない。
あと、面白かったのは、ミクさん目当て、シンセ関係、バレエ系と色々な客層と思われる人が入り交じっていたことでしょうか。たいていのコンサートは年齢差はあっても雰囲気としては均一、同質性があるように思うのですが、このコンサートに来ていた各層の人達が交差することはきっとなくて、どこまで行っても平行線なんじゃないかなー、なんて妄想が広がりましたね。
まあそれはともかく、聴きなれているということもあり、やはりイーハトーヴ交響曲は秀逸。
中でも、「題名のない音楽会」でON AIRされたARミクは神回ですな。うちでもハードディスクに録画していますけど、なかなか消せないと思います。
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